TOPコラム“導管袋地”におけるルールについて詳しく解説します

“導管袋地”におけるルールについて詳しく解説します

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他の土地に囲まれ、公道に出ることができない土地を“袋地”といいます。
また、袋地における制限は、公道に出られないということだけではありません。
“導管袋地”は、また別の制限を受ける袋地の1つです。
今回は、この導管袋地におけるルールについて、詳しく解説したいと思います。

導管袋地の概要

四方を他の土地に囲まれていることが理由で、他の土地に水道管を設置しなければ、水道を使用することができない土地を“導管袋地(どうかんふくろち)”といいます。
このような土地では、「水道管を引きたいのに、隣地の持ち主がそれを許可してくれない」という問題がたびたび発生します。
水道が使用できないとなると、通常の生活は困難になってしまうため、導管袋地を所有する方からすれば、ぜひ設置を認めてもらいたいところです。
では、このあたりのルールについて、法律にはどのように明記されているのでしょうか?

導管袋地における法律上のルール

実は、民法において、導管袋地に関するルールはハッキリと定められていません。
この理由としては、民法が作成されたのが、上下水道の整備前だということが挙げられます。
また、導管袋地に関連しそうな法律には、他にも“下水道法”というものがありますが、これは排水設備についてのルールが記載されたものであり、公共下水道が供用開始されたときにのみ適用があると判断できるため、同法の内容だけでは、“隣地に水道管を設置できる”と断言することはできません。

導管袋地に水道管は設置できる?できない?

民法には、導管袋地に関する明確なルールがなく、なおかつ下水道法の内容も決定打に欠けるという話をしました。
ただ、隣地の持ち主の許可がないと、一切水道管を設置できないのかというと、決してそういうわけではありません。
実務では、前述のような「隣地所有者が水道を引くことを認めてくれない」という問題について、民法第220条等の相隣規定を“類推適用”するという形で対応しています。
類推適用とは、直接その事柄に関する法規が定められていない場合に、もっとも類似した事項についての法規を適用することを指します。
つまり、問題解決にピッタリのルールがない場合に、法律の守備範囲を少し広げ、解決を図るということです。
導管袋地の場合、以下に該当するのであれば、導管袋地でも水道管の設置が認められます。

・隣地の使用を要求する土地が導管袋地であること
・合理的かつ隣地に与える損害がもっとも少ない位置、方法で設置すること

水道管の設置が許可されないケースについて

導管袋地であっても、隣地に与える影響が少なければ、原則水道管の設置は認められます。
しかし、導管袋地内に建っている建物に問題がある場合は、この限りではありません。
具体的には、違法建築の物件が建っている場合、水道管の設置が許可されない可能性が高いです。
違法建築の建物に対しては、建築中に“工事施行停止命令”が発せられる場合があります。
これは、文字通り工事を停止させるための命令ですが、これを無視して建物が建築された場合、基本的には水道管等のライフライン設置のための袋地利用権が認められません。
実際、過去の最高裁ではこの例を“権利濫用”として、水道管が設置できなかったというケースがあります。
ただ、違法建築の物件に対し、工事施行停止命令のような要請がなかった場合は、また異なる結論になることも考えられます。

既存給排水設備の利用について

導管袋地では、基本的に水道管の設置が認められますが、これだけでなく、袋地の周りを取り囲む“囲繞地”にある既存の給排水設備を使用することについても、認められるケースがあります。
なぜなら、新たに給排水設備を設置するよりも、こちらの方が合理的だからです。
形としては、すでに設置された隣地の持ち主等が使用している給排水設備に対し、導管袋地の所有者が接続工事を行うということになります。
ちなみに、このときにかかる設置費用や定期点検等の費用に関しては、囲繞地の所有者から導管袋地の所有者に対し、一定額の請求が行われます。

隣地に許可がもらえない場合の訴訟について

隣地が頑なに水道管の設置を認めない場合、導管袋地の所有者は紛争解決のための訴訟を起こすことになります。
現況ですでに隣地を通行しているという状況であれば、こちらの訴訟は比較的早期、低コストで解決することが多いです。
実例としては、2~3ヶ月程度で和解したというケースがあります。
ちなみに、隣地に許可がもらえない場合、そもそも隣地所有者との関係性があまり良好でなかったり、薄かったりするケースが多いため、思い当たる節がある方は注意してください。

まとめ

ここまで、導管袋地に関する細かいルールをいくつか解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
その住居をメインとして居住する場合、水道は必ずなければいけませんし、袋地で水道を使用する場合、隣地への水道管設置以外の方法で対応するのは難しいです。
ただ、法律上設置できないと判断されることはほぼないため、袋地を所有する方は安心して権利を主張してください。
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