TOPコラム再建築不可の空き家における老朽化の原因と対策について

再建築不可の空き家における老朽化の原因と対策について

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親から相続を受けた空き家などは、相続人の方が取得した時点で再建築不可となっていることもあります。
また、再建築不可の空き家を放置すると老朽化が進み、どんどん売却や処分が難しくなっていきますが、具体的な老朽化の原因には、果たしてどのようなことが挙げられるのでしょうか?
詳しく解説します。

シロアリ被害

再建築不可の空き家が老朽化する原因としては、まず“シロアリ被害”が挙げられます。
シロアリは、その名前や見た目からアリの一種と思われがちですが、正確にはゴキブリの仲間です。
日本に生息するシロアリのおよそ8~9割は“ヤマトシロアリ”という種類であり、湿った木材を食べて栄養と水分を摂るという特徴があります。
再建築不可の空き家の多くは木造住宅であるため、シロアリ対策を取っていなければ、瞬く間に柱の内部などが食い荒らされるおそれがあります。
よって、再建築不可の空き家を所有する方は、まずシロアリ被害に遭っていないかどうか、専門業者に点検してもらいましょう。
幸い、まだ被害に遭っていない場合は薬剤散布による対策、すでに被害が発生している場合は駆除をしてもらえます。
また、所有者の方自身で行える対策としては、室内に湿気をためないよう、こまめに空き家を訪れ、換気することが挙げられます。

腐食、カビ

再建築不可の空き家が老朽化する原因には、“腐食”や“カビ”も挙げられます。
これらの現象は、主に梅雨の時期などに湿度が上がることが原因で発生するものですが、冬場の結露が原因となることもあります。
また、再建築不可の空き家のような古い物件の場合、雨漏りや排水管の亀裂により、腐食やカビが進むことも考えられます。
もちろん、湿気は前述の通りシロアリ被害にも繋がるため、決して放置してはいけません。
考えられる対策としては、乾燥した状態をキープすることが挙げられます。
ただ、居住していない空き家を常に乾燥させるのは難しいため、できれば床下換気扇や乾燥材などを使用しましょう。

害獣

再建築不可の空き家が老朽化する原因には、“害獣”も挙げられます。
害獣とは、“人間活動に害をもたらす哺乳類に属する動物一般”のことをいい、ここでいう害獣は、家屋の天井裏などに侵入し、騒音、糞尿など精神的、衛生的被害をもたらす生き物を指します。
具体的には、以下のような動物です。

・ネズミ
・イタチ
・コウモリ
・ハクビシン など

再建築不可の空き家がこれらの害獣の被害を受けてしまうと、汚れやニオイ、破損(木材がかじられるなど)などによって資産価値が低下してしまいます。
また、糞尿は悪臭を放つだけでなく、さまざまな細菌を持っているため、病気の危険性もあります。
害獣の被害をなくすためには、シロアリと同じく、専門業者に駆除を依頼しましょう。
ネズミ以外の害獣に関しては、空き家所有者の方が自身で駆除する場合、“鳥獣保護管理法”という法律に抵触してしまう可能性があるため、おすすめできません。
ただ、もちろん侵入を防ぐための対策は可能です。
例えば、害獣が嫌う“忌避剤(きひざい)”の設置、屋根裏への侵入経路になりそうな高い庭木への対策、床下に潜られないようにするための柵の設置などが挙げられます。

雑草

“雑草”も、再建築不可の空き家が老朽化する原因の1つです。
特に、庭付きの一戸建ての場合、雑草の蔓が伸び、壁伝いに雨樋、瓦などに巻き付いてしまうおそれがあります。
もし、蔓が巻き付いてしまったら、建物に根を張るようになり、外壁の隙間から瓦の隙間まで入り込んでしまうことも考えられます。
ここまで雑草を放置してしまうと、そう簡単には処理できません。
よって、たとえ現在は使用していない空き家であっても、こまめに雑草を刈ることをおすすめします。
また、除草剤の散布や、雑草の光合成を防止し、成長を遅らせる“防草シート”の活用も行いましょう。
ちなみに、雑草の中には棘がついたものもあるため、処理する際は必ず軍手などを着用してください。

塩害

再建築不可の空き家が老朽化する原因としては、“塩害”も挙げられます。
塩害とは、文字通り“塩”による害のことをいい、具体的には高潮による海水の侵入、塩分を多量に含む風などの影響により、建物が何らかの被害を受けることを指しています。
例えば、塩分を含んだ潮風が吹き付けると、鉄筋は腐食し、コンクリートにはひび割れが発生します。
つまり、たとえRC造などの空き家であっても、海の近くにある場合は、木造以上に老朽化が進む可能性があるということです。
また、塩害への対策としては、外壁塗装で塩害に強い専用の塗装を施すことが挙げられます。
その他、外壁に付着した塩分を定期的に水で流すのも効果的です。

まとめ

ここまで、再建築不可の空き家が老朽化する主な原因を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
現在は使用していなくても、将来的に所有する空き家を売却したいと考えるのであれば、普段から前述の対策を徹底しておきましょう。
すでに何らかの被害や瑕疵がある場合、売却時にはかなりのマイナス要素となってしまうため、注意してください。
再建築不可物件や市街化調整区域についてのご相談は、日翔レジデンシャル株式会社にご相談下さい。
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