TOPコラム“法的瑕疵物件”と関係のある3つの法律について

“法的瑕疵物件”と関係のある3つの法律について

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再建築不可物件は、訳アリ物件の中でも“法的瑕疵物件”に該当します。
これは、法令等によって自由な利用が阻害されていたり、法令に違反していたりする物件を指します。
また、法的瑕疵物件には、密接な関係にある3つの法律が存在します。
今回はそれらの法律について解説しましょう。

法的瑕疵物件と密接に関わる3つの法律

再建築不可物件も該当する法的瑕疵物件は、以下の3つの法律によって、何かしらの規制がかかっていたり、違法な物件となっていたりするものです。

・建築基準法
・都市計画法
・消防法

建築基準法

私たちが安全かつ快適に生活できるよう、建物や土地に対して定められた法律が“建築基準法”です。
対象となるのは、建築物そのものや建築物の敷地、設備、構造、用途であり、その土地にどのような用途・規模の建物が建築できるのか、建てられる住宅の床面積や建築面積の上限は何㎡なのかといった、細かいルールが定められています。
また、建築基準法を施行するためのさらに細かいルールとして、“建築基準法施行令”というものも存在します。
ちなみに、建築基準法上の制限を受けていたり、この法律によって違法なものとなっていたりする法的瑕疵物件には、以下のようなものが挙げられます。

・接道義務を満たしていない
・構造上の安全基準が遵守されていない
・建蔽率違反に該当している
・容積率違反に該当している など

都市計画法

計画的な市街地開発、施設設備(道路、公園、上下水道など)の基本的なあり方を定めた法律が“都市計画法”です。
誰もが好き勝手に建物や道路をつくってしまうと、機能的な街づくりができなくなり、街全体としてのバランスもとれなくなります。
そうならないために、都市計画法では日本の国土をエリア分けし、対象となる不動産がどのエリアなのかによって、異なる土地の利用規制を定めています。
都市計画法で定められているエリアには、以下のものが挙げられます。

・都市計画地域
・準都市計画区域
・市街化区域
・市街化調整区域
・用途地域

また、都市計画法による制限物件には、主に以下のようなものが該当します。

・建築制限が生じる計画道路指定を受けている
・原則開発行為が認められない市街化調整区域内にある など

ちなみに、用途地域にある物件も、取引のケースによっては法的瑕疵物件になり得ます。
用途地域は、住居や商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、“第一種低層住居専用地域”など13種類に分かれています。
また、用途地域ごとに建蔽率や容積率の制限があり、建てられる建物の種類も定められています。
したがって、正しい用途制限を知らずに物件を購入してしまうと、その土地に望んでいる建物を建てられないといった状況に陥る可能性があります。

消防法

人の命や財産を守るため、火災の予防、火災発生時の被害抑制などについて定めた法律を“消防法”といいます。
一般住宅に関することでは、マンションや一戸建てなど寝室を有する建物に対し、必要な設備の設置義務などが規定されています。
また、消防法による制限物件には、主に以下のようなものが当てはまります。

・設置義務のある防災設備が設置されていない
・設置されている防災設備が古い
・設置されている防災設備が機能していない など

ちなみに、消防法で定められた、建物に設置しなければいけない防災設備には、以下のようなものが挙げられます。

・火災報知器
・誘導灯、誘導標識
・スプリンクラー
・ガス漏れ警報器
・避難はしご
・排煙設備 など

もし、購入した物件が最新の規制に反したもので、上記の設備を備えていなかったり、故障・老朽化していたりする場合、買主は物件を適法状態にするため、想定外の支出を強いられることになるため、注意しなければいけません。

法的瑕疵物件を見抜くためのポイント

法的瑕疵物件を知らずに購入してしまうと、非常に使い勝手が悪くなります。
よって、不動産購入時には、必ず区市町村の都市計画課または建築指導課に足を運び、物件に係る法令を自らの目で確認しましょう。
各自治体が作成している“都市計画図”を閲覧すれば、対象物件とその周辺地域における用途地域の指定、都市計画道路の有無が確認できます。
また、市街化区域か市街化調整区域かも確認できるため、もし後者に該当するようであれば、購入は見送った方が良いでしょう。
ちなみに、“都市計画道路予定地”に指定されている場合、道路計画が予定の段階のうちは、一定の建築制限のもと、都道府県知事の認可を受けて住宅を建築することが可能です。
ただ、将来的には建物を取り壊さなければいけない可能性が高いので、このような物件も購入は控えた方が良いでしょう。

まとめ

ここまで、法的瑕疵物件と関わりの深い3つの法律について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
立地やアクセス環境、周辺施設など、不動産の良し悪しを判断するポイントはたくさんありますが、実際購入する際には、法的瑕疵がないかどうかも確認しなければいけません。
また、そのためには手間暇を惜しまず、物件の精査にある程度の時間をかける必要があります。
再建築不可物件や市街化調整区域についてのご相談は、日翔レジデンシャル株式会社にご相談下さい。
親身になって対応させて頂きます。