TOPコラム“接道”と“間口”の違いをハッキリさせておこう!

“接道”と“間口”の違いをハッキリさせておこう!

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再建築不可物件関連の主な用語に、“接道”と“間口”があります。
これらの幅や長さを見ることで、当該物件の再建築が可能か不可能かを判断できるわけですが、双方の違いについて、皆さんは正しく認識していますでしょうか?
ここからは、それぞれの言葉が持つ意味を詳しく解説していきたいと思います。

“接道”について

その土地が接している、道路の“幅”を接道といいます。
例えば、“北5mに接道”という表示がある物件の場合、「敷地の北側が幅員5mの道路と接している」という意味になります。
また、この場合の道路は、建築基準法に定められた道路に該当し、なおかつ幅員4m以上ないし6m以上であることが要求されます。
つまり、幅員4m以下のものは道路として認められないため、“北3mに接道”といったような表記は、そもそも矛盾しているこということになります。
再建築不可物件を含む不動産について、あまり詳しくないという方は、この道路の幅を“間口”と認識していることがありますので、混同しないように注意しましょう。
ちなみに、物件によっては接道の表記の仕方が異なり、“道路幅員”と書かれていることもありますが、これは接道と同じ意味を持っています。

“間口”について

接道に対し、その土地が接している道路に面する“長さ”を間口といいます。
簡単に言うと、敷地と道路がくっついている部分の長さです。
例えば、玄関側が前面道路に接している場合、その土地の間口は、玄関側の敷地が道路に接している部分の端から端、ということになります。
また、間口は接道とは違い、必ずしも不動産資料に記載されているとは限りません。
そのため、間口が何mあるのか知りたい場合、不動産会社に問い合わせるか、自身で計測しなければいけないことがあります。
ちなみに、例えば実際は間口が5mある物件でも、その間口がすべて使えないということも考えられます。
なぜなら、間口の両端に庭木や塀などがあると、実際に使えるのは玄関口がある部分の数mのみになるからです。

接道と間口が混同しやすい理由は?

接道と間口が混同しやすい理由はいくつかあります。
まず1つは、どちらも再建築不可物件に関する用語だということです。
これらの用語は、再建築不可物件について調べているとき、必ずといって良いほど目にします。
また、どちらも再建築不可かどうかを判断するための重要な要素であるため、「どっちがどっちだったっけ?」という状況になりやすいと考えられます。
また、接道と間口が混同しやすい理由としては、“さまざまな呼称がある”ということも挙げられます。
先ほども解説したように、間口はあくまで、その土地が接している道路に面する長さです。
ただ、不動産会社や一部のサイトでは、間口のことを“接道間口”と呼ぶことがあります。
接道はまったく違う意味なのですが、そもそも土地が接する道路自体を“接道”と呼ぶこともあるため、間口にもこのようなややこしい呼称が付いてしまっています。
したがって、接道と間口の混同を避けたい方にとって、間口を“接道間口”という呼称で覚えることはおすすめできません。

変則的な土地における間口の考え方

再建築不可物件かどうかを判断するためには、建築基準法上の道路に2m以上接しているかどうかをチェックします。
つまり、間口が2m以上あるかどうかをチェックしなければいけないということです。
ただ、土地にはさまざまな形があり、変則的な土地の場合、どこまでを間口としてカウントすれば良いのか、とてもわかりにくい場合があります。
ここからは、さまざまな変形地における間口の考え方を見ていきましょう。

・一部非道路に接している土地
例えば、接している道路の半分が建築基準法上の道路、残り半分が非道路(通路)になっている土地があるとします。
この場合、間口としてカウントできるのは、当然建築基準法上の道路が接している長さのみとなります。
非道路の部分はカウントできません。

・前面が水路で、その先に道路がある土地
前面に水路があり、占用の橋を渡って道路に出るような土地の場合、残念ながら間口としてカウントできるのは、その橋の幅のみです。

・道路の端部が敷地に接している土地
例えば、土地の角部分に対し、建築基準法上の道路が重なるように接している道路があるとします。
つまり、2つの四角形(敷地、道路)の角が重なっているような土地です。
この場合は、敷地内に入っている道路の角部分を三角形にした場合の“斜辺”部分が間口としてカウントされます。

・敷地の中央部分が細くなっている土地
例えば、奥に建物があり、中央部分が細くなっていて、出入口部分にかけて再び広くなっている土地があるとします。
この場合、間口が2m以上あったとしても、中央の細くなっている部分の幅が2mを超えなければ、再建築不可物件となります。

まとめ

ここまで、接道と間口の違い、間口の考え方などについて解説してきましたが、いかがでしたか?
少しわかりにくい部分もあるかと思いますが、再建築不可物件を所有する方、あるいは所有する物件が再建築可能かどうかを確かめたい方にとって、これらの知識は必要不可欠です。
1つずつルールを覚えていけば、必ず今後の売却や活動に役立つでしょう。
再建築不可物件や市街化調整区域についてのご相談は、日翔レジデンシャル株式会社にご相談下さい。
親身になって対応させて頂きます。