市街化調整区域内で不動産を購入するメリット・デメリット
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市街化調整区域とは、市街地から離れている郊外や、農地が広がる田舎などの土地を指し、無秩序な市街地の拡大を防ぐために指定されています。
簡単に言うと、自然環境を守るための区域ですね。
では、そんな市街化調整区域内で不動産を購入するメリットとデメリットには、一体どんなことが挙げられるでしょうか?
メリットについて
まずは早速、市街化調整区域内で不動産を購入するメリットを見ていきましょう。
メリットを知れば、現時点で市街化調整区域内の不動産が選択肢に入っていない方でも、購入を検討するようになるかもしれませんよ。
土地が安い分、建物にお金をかけられる
市街化調整区域内の土地は、市街化区域内と比べて圧倒的に安いです。
具体的には市街化区域内の1/3程度の価格であり、場合によっては1/10ほどの価格で購入できることもあります。
したがって、土地の購入にかかる費用は抑えられ、その分建物に資金を回すことが可能です。
あくまで建築が認められた場合に限りますが、これは大きなメリットですね。
税金が安い
市街化調整区域内の不動産は、課税評価額が低いケースが多く、必然的に税金も安くなります。
具体的には、固定資産税の課税額が大きく下がりますね。
また、市街化調整区域は役所などの都市計画に該当しないため、都市計画税に至っては支払う義務がありません。
このように、税負担に関してはあまり気にする必要がないというところも、市街化調整区域で不動産を購入することの大きなメリットでしょう。
豊かな自然環境の中で生活できる
市街化調整区域内には、都市部などではなかなか見られない豊かな自然が広がっており、生活に癒しを与えてくれます。
もちろん、交通アクセスなどの生活環境が万全だとは言えませんが、のんびりと閑静な場所で暮らしたいという方は、市街化調整区域内で不動産を購入するのも良いでしょう。
もっと言えば、今後も大きなビルなどが立ち並ぶことはないため、長期的に静かに暮らせる場所を確保できます。
良い環境で子育てができる
子育て世代の方が、市街化調整区域内で不動産を購入すれば、とても良い環境で子育てできます。
なぜかと言うと、市街化調整区域には原則用途地域が定められていないため、風俗店等の子どもに悪影響を及ぼしそうな建物は建てられないからです。
また、市街化調整区域には、建築許可時、新築予定の建物と隣の建物について、一定の間隔を空けなければいけないというルールがあります。
したがって、子どもが泣いたり騒いだりしても、近隣住民に迷惑はかかりにくいでしょう。
デメリットについて
続いては、市街化調整区域内で不動産を購入ことのデメリットを見てみましょう。
原則建物は建築できない
原則建物は建築できないところが、市街化調整区域における最大のデメリットだと言えます。
先ほど、メリットとして“土地の価格が安い”ということを上げましたが、これには建築に関する制限が関係しているのです。
個人の場合、都道府県の許可が得られれば建築可能ですが、認められたからといって思惑通りの建築ができるとは限りません。
また、このような特徴を持っていることで、将来売却する際にも苦戦することが考えられます。
住宅ローンが利用できないことがある
不動産を購入する個人のほとんどは、住宅ローンを利用します。
自己資金だけで購入資金を用意するのは大変ですからね。
ただ、市街化調整区域内の不動産を購入する場合、住宅ローンの対象外になってしまうことがあります。
また、たとえ利用できたとしても、融資額は通常の不動産購入時と比べて少なくなるでしょう。
その理由は、土地利用が制限されていることで担保評価が低く、なかなか金融機関が融資を許可してくれないためです。
金融機関は、返済の遅延や滞納に備えて、できる限り担保評価が高い場合に融資したいと考えるため、これは致し方ありませんね。
もちろん、誰でも再建築可能な不動産である場合は、この限りではありません。
設備投資に資金がかかりやすい
市街化調整区域では、豊かな自然環境が維持されています。
ただその反面、インフラ設備が不十分なケースが多く、不動産購入後にこれらの設備を整えないと、一般的な生活すらままならないことがあります。
つまり、上記のような場合は、不動産購入費用を抑えられたとしても、設備投資に多額の資金がかかってしまう可能性が高いということですね。
気軽に遠出できない
市街化調整区域内で不動産を購入し、仮に電気やガス、水道などの設備が整ったとしても、アクセス環境だけは自力で整えることができません。
したがって、そこを我慢できないという方は、域内で不動産を購入するべきではないでしょう。
まとめ
今回は、市街化調整区域内で不動産を購入することのメリット・デメリットについて、余すことなく解説してきました。
制約が多いというイメージが強い市街化調整区域ですが、視点を変えればちゃんとポジティブな要素も持っていることがわかります。
つまり、市街化調整区域内の不動産を購入すべきという方も、中にはいるということですね。
再建築不可物件や市街化調整区域についてのご相談は、日翔レジデンシャル株式会社にご相談下さい。
親身になって対応させて頂きます。