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市街化調整区域と市街化区域の違い

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新しく家を建てる際には、まず土地を探すことになるでしょう。
その土地の中に時折、市街化調整区域というものが混じっていることがあります。
また、それと似た言葉として、市街化区域という場所もあるのですが、意味も違いも分からないという人は多いでしょう。
これらの意味と、その違いについて解説します。

市街化調整区域と市街化区域

市街化調整区域と市街化区域、名前が似ているので混同してしまう方もいるかもしれません。
しかし、その内容は大きく異なっているのです。

この2つは、どちらも都市計画法によって定められている区分です。
それによると、市街化区域はすでに市街地を形成している区域、もしくはおおよそ10年以内に市街化を図る区域のこととなっています。
一方、市街化調整区域というのは、市街化を抑制している区域のこととなっているのです。

もう少しわかりやすく言うと、現在すでに市街となっている区域、もしくは10年以内に市街化が進む予定となっている区域のことを市街化区域といいます。
この区域では、住宅などは特別な許可を必要とせずに建てることができます。

問題となるのは、もう一方のほうです。
この区域は、市街化を抑制する区域です。
つまり、市街化区域とは反対の意味を持っているのです。

基本的に、住宅などを建てることはできません。
市街化を目的としていない区域であり、畑や田んぼ、自然をそのまま残しておくことを目的としています。
そのため、居住区としては考えられていない区域を指すのです。

これを管理しているのは、各都道府県です。
もしも、どうしてもその区域に住宅を構えたい場合は、管理している都道府県の許可を得る必要があります。
もちろん、相応の理由がなければ申請しても簡単に許可が下りるわけではありません。

例えば、東京都の場合は23区内に限って言うと、河川敷以外の場所は住宅を建てるのに支障はありません。
しかし、23区外の郊外などには農地が広がっているところもあり、その中には住宅を建てることができない地域も含まれています。

よく、農地は別の要地へと転換するのが難しい、ということが言われています。
市街化調整区域は、その農地の転換がさらに難しい区域だと考えることもできるでしょう。
土地としてみた場合は周辺の土地よりも安いことが多いのですが、それはこのような制限があるからなのです。

こういった地域に住宅を建てることを許可されるケースというのは、要件を満たしている場合です。
この要件についても、都市計画法に主な基準として定められています。
どんな基準があるのか、簡単に説明します。

まず、都市計画法が定められる前からの住民など、開発区域にも住民はいます。
そういった人々の生活に必要と認められる、店舗や理美容院、学校などの建設は認められる可能性があります。

また、第一種特定耕作物に関わる施設、および観光資源となるような遊園地、ホテル、ゴルフコースなども建築可能です。
農林水産物や農林業、その他の事業などに必要な設備も、建設許可を得ることができるでしょう。

道路の円滑な交通に必要なものとして、コンビニやドライブイン、ガソリンスタンドなどの設置も考えられます
市街化区域での建造が難しいと考えられ、開発審査会で許可を得られたものも建設が認められます。

このように、原則としては認められないとはいえ、必ずしも建設できないというわけではありません。
ただ、基準を満たすことはかなり難しいでしょう。
不安な場合は、専門にしている業者へと問い合わせてみる事も考えましょう。

市街化調整区域で許可が必要なもの

市街化調整区域では、建築するにあたって許可を得なくてはいけません。
しかし、それ以外の点でも許可を得る必要がある事柄も数多くあるのです。
どのようなことに許可が必要なのか、解説します。

まず、これに該当する地域で建物を建築する場合は許可が必要となるのですが、売買するにあたっても審査を受けなくてはいけません。
たとえ所有者が売りたいと言っても、それを買いたいという買主は個別に審査を受けなくてはいけないのです。

また、すでに建物がある場合に、その建物を建て替える場合、あるいはリフォームする場合にも申請する必要があります。
これは、建物が住宅であっても、事業用であっても関係なく、許可を取らなくてはいけません。

この地域の中には、時折宅地という地目の土地もあります。
これは、既存宅地制度によって定められていたのですが、2001年に都市計画法の改正に伴って廃止されている制度であり、それ以前は建築物の新築、および増改築に申請は必要とされていなかったのが、現在はたとえ宅地となっていても申請が必要とされています。

住宅を新築する際や、リフォームをする際には金融機関でローンを組む人が多いでしょう。
ただ、場合によってはローン審査が通りにくい傾向があります。
金額次第でローンを断られてしまう可能性が高く、特に地目が農地となっていると難しいとされています。

これはなぜかというと、ローンを組む際はその土地などを担保とするからです。
該当する地域の価値はあまり高くないので、担保とするには不足しやすいのです。
ローンの返済が途中で不可能となった場合、金融機関はその担保を差し押さえてローン返済に充当するのですが、その分の価値がないと判断されてしまうため、ローンを組むのが難しいのです。

そのため、価格が安いからと言って購入したとしても、ローンが組めずに住宅を建築できなくなる可能性があるのです。
ローンを組むことができるかどうかは、事前にこういった地域を専門にしている業者へと相談してみるといいでしょう。

人が住むことを前提としている地域であればインフラは整っているのですが、住宅を建設する予定がない地域は水道や電気、ガスなどのインフラがない場合もあります。
整備を求めることはできますが、その場合は自己負担を求められるケースもあるのです。
また、下水道もないことがあるので、その場合は浄化槽を設置しなければいけません。
特に、公道と隣接していない土地の場合はこの傾向が強いので、注意しましょう。

こういった地域では、様々なケースで許可を取る必要が生じます。
そのせいで、相続などでやむを得ず所有することになった場合、一般の不動産業者では買取りを断られることもあります。
しかし、不要な土地を所有したままだと、余分な税金を支払うことになってしまうでしょう。

こういった土地を所有している場合は、専門業者に依頼することをお勧めします。
専門業者であれば、その売買についても相談に乗ってもらうことができ、通常は買い取ってもらえないようなケースでも買い取ってくれることが多いのです。

このように、名前が似ている2つの区域区分ですが、その内容は真逆といってもいいものです。
混同しないように気を付けましょう。

まとめ

市街化区域と市街化調整区域は、名前以外に似ていることはありません。
基本的に、住宅を建てるのであれば市街化区域になるのですが、相続などで市街化調整区域の土地や住宅を所有することとなり、どうしたらいいか困る方もいらっしゃると思います。
そういった場合は、専門業者に依頼するのが最も確実です。

再建築不可物件や市街化調整区域についてのご相談は、日翔レジデンシャル株式会社にご相談下さい。親身になって対応させて頂きます。