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再建築不可物件でも火災保険には加入できるのか?

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再建築不可物件は、原則建て替えが禁止されていますし、すでに老朽化しているものも少なくありません。
また、所有する方の中には、「古くなった再建築不可物件でも、火災保険には加入できるの?」という疑問を持っている方もいるでしょう。
ここからは、再建築不可物件と火災保険の関係について解説していきたいと思います。

再建築不可物件でも火災保険には加入できる?

再建築不可物件において、建て替えができない主な理由には、“間口が狭い”、“接道の幅が狭い”といったことが挙げられます。
また、なぜ間口が狭かったり、接道の幅が狭かったりすることで、再建築ができないのかについては、建築基準法上のルールにポイントがあります。
建築基準法では、建物に対し、火災等の緊急時に消防車、救急車等の車両が進入するための経路確保を義務付けています。
つまり、間口が2m以下だったり、接道が4m以下だったりすると、上記の緊急車両が進入できず、火災等に対応できないというわけですね。
火災等に対応できないことにより、延焼や再建築不可物件の所有者、または近隣住民が命を落とすことにも繋がりかねないため、建て替えを禁止されるのは致し方ありません。
ただ、再建築不可物件が火災保険に加入できるかどうかは、また別の話です。
建て替えを禁止されている再建築不可物件ですが、火災保険に関しては、通常の物件と同じように加入することができます。

火災保険に加入していないとどうなる?

再建築不可物件が火災保険に加入していない場合、“失火責任法”の影響を受ける可能性があります。
これは、正式には“失火ノ責任二関スル法律”と呼ばれるもので、過失によって火災が発生しても、重大な過失でなければ損害賠償責任を負わないというものです。
つまり、自身の住宅で火災が発生し、隣家に延焼したとしても、故意に近いような重大な過失ではない場合、燃え移った住宅の修理費用等を負担しなくても良いというわけですね。
ただ、これを言い換えると、隣家の火によって所有する再建築不可物件が燃えてしまっても、損害賠償請求はできないということになります。
また、このとき火災保険に加入していれば、燃えてしまった再建築不可物件の修繕費用等は補償してもらえますが、加入していない場合、当然すべて自費負担しなければいけません。
このようなリスクを考えると、やはり古くなった再建築不可物件であっても、火災保険には入っておくべきだと言えますね。

再建築不可物件では火災がよく発生する

冒頭で触れたように、再建築不可物件の中には、すでに老朽化している物件も多くあります。
また、その多くが木造住宅であり、火災が発生する可能性は、他の住宅に比べて高いといえます。
もっと言えば、再建築不可物件には、管理の行き届いていない“廃屋”のようなものもあります。
所有者の住居から離れた場所にある再建築不可物件等は、このような状況になることも多いですね。
そして、そのような明らかに“人が住んでいない”とわかる再建築不可物件は、放火の被害に遭いやすくなってしまいます。
火災保険に入っていれば、たとえ放火や延焼等で燃えてしまったとしても、当然保険金は受け取れるため、あまり使用しない再建築不可物件こそ、特に加入を検討すべきです。

すべて燃えてしまった場合は?

再建築不可物件において火災が発生しても、火災保険に加入していれば補償は受けられるという話をしました。
ただ、すべて燃えてしまった場合、つまり全焼してしまった場合は、保険金を受け取れるものの、建て替えを行うことができませんので、その点は留意しておきましょう。
つまり、保証金と瓦礫の山になった更地だけが残るということになります。
もちろん、再建築不可物件でも修繕はできるため、半焼あるいは半壊程度で済んだ場合、保険金を用いて修繕することはできます。
しかし、その際に受け取れる保証金は、全焼したときよりも少なくなるケースが多いです。

火災以外の災害にも対応可能

火災保険は、火災による損害しか補償してもらえないものだと思っている方もいるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。
火災保険という名称ではありますが、保険会社によっては、他の災害による損害にも対応してもらえる可能性があります。
具体的には、落雷や雪害、風災や水災、空き巣等ですね。
ただ、災害の中でも、“地震”による損害だけは、火災保険では補償されません。
地震の損害をカバーしてもらいたい場合は、火災保険と併せて“地震保険”に加入する必要があります。
ちなみに、地震保険では、火災保険では補償されない地震や噴火、津波を原因とする火災、埋没、流出による損害を補償してもらえます。

まとめ

ここまで、再建築不可物件と火災保険の関係を詳しく解説してきましたが、ご理解いただけたでしょうか?
今回覚えて帰っていただきたいのは、再建築不可物件でも火災保険に入れること、再建築不可物件は火災が起きやすいこと、そして全焼すると建て替えられないことです。
「古くなった再建築不可物件に火災保険は必要ない!」と考えていた方は、この機会に意識を変えましょう。
再建築不可物件や市街化調整区域についてのご相談は、日翔レジデンシャル株式会社にご相談下さい。
親身になって対応させて頂きます。