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再建築不可物件は“民泊”として活用できるのか?

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再建築不可物件では、原則建物の建築ができませんが、既存の建物を用いた土地活用をすることはできます。
また、建物を使った土地活用の方法に“民泊”が挙げられますが、再建築不可物件は民泊として活用できるのでしょうか?
詳しく解説しますので、再建築不可物件の使い道に困っている方は参考にしてください。

民泊の概要

まずは、民泊がどのような土地活用法なのかについて解説しましょう。
住宅の全部または一部を活用し、旅行者等に宿泊サービスを提供することを民泊といいます。
近年、ネットを通じて空き家を短期間貸し出したい方、宿泊したい方をマッチングさせるサービスが流行していて、世界中で民泊は増加しています。
また、これは日本も例外ではなく、空き家を活用して民泊を経営し、利益を上げている方は少なくありません。

再建築不可物件は民泊として活用できる?

結論からいうと、たとえ再建築不可物件であっても、民泊として活用することはできます。
その理由は2つあり、まず1つは冒頭で触れたように、民泊が新しく建物を建てなくても行える土地活用だからです。
再建築不可物件で禁止されているのは、あくまで建て替えや新築であり、リフォームは一定の範囲までなら認められています。
また、もう1つの理由としては、民泊に関する法律である“民泊新法”において、「再建築不可物件での民泊経営を禁止する」という文言がないことが挙げられます。
つまり、法律によって、再建築不可物件での民泊経営を制限されているわけではないということです。

再建築不可物件での民泊経営の要件

再建築不可物件を民泊として活用すること自体は、法律上問題ありません。
ただ、民泊を経営する場合は、いくつかの要件をクリアする必要があります。
具体的には、以下のような要件です。

・営業日数
・設備
・申告手続き
・環境の整備

営業日数

民泊は、1年中経営できるわけではありません。
民泊新法において、年間営業日数上限は180日までと定められています。
よって、「1年中再建築不可物件で利益を上げたい」という方にとっては、あまり魅力的ではないかもしれません。
ちなみに、180日以上経営する場合は、“旅館業法”の許可を得る必要があります。

設備

再建築不可物件を民泊として活用する場合、住宅内の設備を揃えなければいけません。
具体的には、通常住宅に備え付けられているキッチンや浴室、トイレや洗面所などの設備が挙げられます。
これらの設備が揃っていて、なおかつ機能している建物でないと、民泊として貸し出すことはできません。
数十年間放置されていた空き家がある再建築不可物件などの場合、上記の設備が老朽化して使用できないことも考えられるため、注意しましょう。

申告手続き

再建築不可物件で民泊を経営するには、都道府県知事に対して経営の申告手続きをしなければいけません。
つまり、無断で民泊として貸し出し、利益を得るのは違法だということです。

環境の整備

再建築不可物件を民泊として活用するためには、衛生面や安全面など、環境の整備を行う必要があります。
例えば、定期的に清掃して清潔感を維持したり、非常用の火災報知器、避難経路の表示などを設置したりすることが挙げられます。
また、再建築不可物件の所有者の方自らが、その建物に駐在する場合は問題ありませんが、遠隔地の物件で民泊を経営する場合、所有者に代わり、民泊の管理ができる人物を配置しなければいけません。

民泊として活用できる“住宅”とは

再建築不可物件で民泊経営を行う場合、貸し出す建物が“住宅”である可能性があります。
一般的に住宅というと、今現在人が住んでいる建物が該当しますが、民泊新法における住宅の定義は少し異なります。
例えば、現在は誰も住んでおらず、売り出している最中の建物があったとしましょう。
これは、通常の住宅とは少し違う状況のものを指していますが、民泊新法ではこれも住宅と認められます。
よって、売り出し中の再建築不可物件であっても、買い手が見つかるまでの間は民泊として活用できます。
その他でいうと、以下も住宅として認められています。

・現在は誰も住んでいないが、将来住もうとしている物件
・毎年短期間のみ使用している物件(セカンドハウスなど)

再建築不可物件での民泊経営における注意点

再建築不可物件を民泊として活用するのであれば、近隣住民には必ず配慮しましょう。
例えば、民泊を利用した旅行者がゴミを散らかしたり、深夜に大声を出したりすると、揉め事の引金になってしまう可能性があります。
また、クレームが出ているにも関わらず改善されない場合、自治体から営業日数の制限がかけられることも考えられます。

まとめ

ここまで、再建築不可物件を活用した民泊経営について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
再建築不可物件は、土地活用をするにしても使い道が限られます。
ただ、既存の建物の状態が比較的良い場合、あるいは土地活用によって、年中利益を上げることを目的としていない場合は、民泊経営という選択をするのもアリでしょう。
再建築不可物件や市街化調整区域についてのご相談は、日翔レジデンシャル株式会社にご相談下さい。
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